平成20年9月射水市定例議会報告

T あらまし

9月定例会は9月8日招集され22日までの会期15日間と定め、議案第63号平成20年度射水市一般会計補正予算(第2号)・特別会計補正予算(9件)、条例の制定(3件)、条例の一部改正(6件)、定款の一部改正(1件)、動産の取得(1件)の議案20件、報告4件(「平成19年度射水市健全化判断比率の報告」「平成19年度射水市資金不足比率の報告」「平成19年度射水市継続費精算報告(墓苑事業特別会計、水道事業会計)」)認定12件(「平成19年度射水市一般会計歳入歳出決算認定 1件」「平成19年度各特別会計歳入歳出決算認定 11件」)、請願1件(「生産資材価格高騰に関する請願書」)、諮問3件(人権擁護委員の推薦 肥田啓章氏再任、米田恵子氏再任、薮田 斉氏再任)、議員提出議案4件(「社会保障費を毎年2,200億円抑制する方針の撤回を求める意見書」、「道路特定財源に関する意見書」、「議員定数条例制定」2件が提案され「24名の提出議案」は否決、「26名の提出議案」は可決)が提案され、認定12件は決算特別委員会を設置して委員会付託し継続中の審査としたほかはいずれも原案通り可決(議員提出議案1件否決)いたしました。

U 議会の焦点

1.今議会の最大の焦点は、議員定数を何名にするか決着をつけることでした。議員定数は、『26名』に決定しました。昨年、議長招集により議員全員懇談会において次期議員選挙の定数について本年9月議会まで結論を出すとの合意で、議長の私的諮問機関として9名の議員からなる「議会改革検討委員会」が設置され、結論を見出すべく鋭意努力をしていました。その委員会での経過と過程の出来事については、「射水市議会の議会改革」のコラムで少し述べていますので参考にしてください。射水市議会議員の任期は平成21年11月26日までであり、来年の10月下旬か11月上旬に大選挙区制で26名の議員を選ぶ市議会議員選挙と市長選挙が同時に挙行される予定です。

2.平成21年度予算編成について、先般、国において、平成21年度の概算要求予算、概算地方財政計画が発表された。この計画によると21年度も三位一体の財政改革が推進され、骨太方針では5兆5千億の財源不足、地方交付税3.9%減額の14兆8千億円の見込みであり、それを受け本市においても厳しい予算編成になるであろう。米国の大手証券会社の倒産、サブプライムローンの処理が世界経済、金融に与える影響は大きい。景気の失速で税収が大幅に減収するのではないかとの懸念もあります。いずれにしても、本年4月から射水市総合計画がスタートしており厳しい財政状況でありながらも計画に添い、市民に夢と希望のもてる事業に重点をおき予算編成をしていきたい。

地域経済振興予算等を優先的に予算措置し自主財源の確保に努めるとともに、総合計画事業の優先度合いの高い事業や市民の福祉関連並びに安心・安全の施策事業を盛込んでいきたい。また、人件費等経費の削減、補助金等の見直し削減について引続き厳しい対応、処置をせざるを得ないが、行財政改革を徹底し、射水市民が元気のでる予算編成に努力したい。

3.射水市の安全・安心の対策については、例えば、中古車ビジネスの対策と対応について、『射水市土地利用に伴う生活環境の保全に関する手続条例について』の条例を制定したことで実効性ある対策と対応をすることが可能になりました。これは、射水市にとって画期的な条例であると考えます。市民並びに当事者に理解と協力を求めしっかり条例運用をして安全で安心して住みやすい環境にすることができるようになると思います。特に大江地域住民からは、安全で安心して住める住環境の確保について署名され改善の陳情書が提出され市も県も国も動きました。これが、今回のこの手続条例になりました。今後、中古車ビジネスについては、行政は周囲環境の安全と秩序維持並びに中古車ビジネス業者と関係地域住民の融和を図る努力、仲介をして条例を有効に活かしてほしい。  

4.統合庁舎建設問題については、代表質問、予算特別委員会においても質されています。「広報いみず」に『統合庁舎を考える』のパタン別建設費や一般経費等の試算が連載されています。市民の反響、反応はどうであったか。市民の皆様の意見、考えを踏まえ、議会と十分検討して総合計画と整合性をもたせた統合庁舎建設の基本計画、実施計画を立案して工事着手しなければならないが、その建設所在地を何処にするか。これが一番の大きな問題です。私は、今、議会内で議員間での喧々諤々の議論をする時期でないかと考えており、予算特別委員会の質問の冒頭で議員の皆様に呼び掛け提案してみました。

射水市民病院の経営について、今後の救急病棟の整備や射水型公立病院改革プランや市民病院を核とした地域包括ケアシステムの構築について。

 全国学力・学習状況調査の射水市の結果は如何にあったか。結果、状況を今後どのように教育現場で活かしていくのか。スクールソーシャルワーカー等の活用事業について。

学校給食と食育、特に今補正予算で学校給食センター基本構想策定業務費2,280千円が計上されているが、何処に建設(新湊南部中学校跡地の利用を検討)しどれだけの規模(4〜5,000食の予定)にするのか。今後の調理方式はセンター方式か単独校方式かで増改築予定の大島小学校は大きな問題になっているがどのような対応するのか。また、地産地消の推進と中国産食品を含む食の安全性についてどうか。

 市民協働について、先行モデル5地区の現状と問題点、拠点施設としての公民館の性格と事務局機能のあり方について。

 過日の大雨の被害と今後の射水市の雨水、治水対策について。射水市のブランド化とその推進について。行財政改革の推進状況や公会計制度改革への対応について。妊婦健康診査の公費補助の拡大について。介護保険制度、後期高齢者医療制度について。バイオマスタウン構想や温暖化防止対策等地球環境の取組みについて。「ネーミングライツ」、文化会館等に企業の冠名を付けて呼ぶことにについて。雇用促進住宅の廃止に伴う対応について。射水市クリーンピア火災の原因と対応、今後の方針並びに関係者の処分等など市政全般にわたり活発な議論をいたしました。


V 可決された議案

議案第63号 平成20年度射水市一般会計補正予算(第2号)

 これは、歳入、歳出を9億23,658千円増額補正し、その合計総額385億98,939千円にするもの。

議案第64号から71号 平成20年度射水市特別会計(射水市国民健康保険事業、射水市後期高齢者医療事業、射水市老人保健医療事業、射水市墓苑事業、射水市介護保険事業、射水市下水道事業、射水市農業集落排水事業、射水市病院事業会計の8件の特別会計)補正予算

これは、各特別会計の合計歳入、歳出を▲4億31,679千円を減額補正し、その合計総額324億2,495千円にするもの。

※ 一般会計と各特別会計の歳入・歳出総合計予算は、710億1,434千円

(詳細、新規事業等の箇所付け予算については東保 力ホームページでご覧ください)

議案第72号 射水市土地利用に伴う生活環境の保全に関する手続条例の制定について

この条例は、16条からなる射水市にとって画期的な条例で、平成21年4月1日から施行されます。

目的は、市長が指定する地域で事業活動を行う場合における届出について必要な事項を定めることにより、秩序ある土地利用を推進するとともに、生活環境の悪化を未然に防止し、もって現在及び将来の市民の安全かつ健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。(例えば、中古車販売業者が指定する地域の土地利用をしようとする場合に適用されます。)

射水市土地利用等委員会を設置し、委員は12名以内で組織されます。この委員会、委員は平成21年1月1日から施行します。

なお、届出を行わない者又は虚偽の届出を行った者は、5万円以下の過料に処する。等の条例制定です。

議案第73号 射水市川の駅新湊条例の制定について

 この条例は、現在建設中である名称「川の駅新湊」、場所「射水市立町1番26号」(旧北陸銀行新湊支店跡地)に、内川の歴史を活かしたまちづくりを目的に、市民の交流の場として活用するとともに、地場産品の展示販売等による射水ブランドの情報発信を行い、水辺から市街地への玄関口として観光拠点となる「川の駅新湊」を設置するために所要の条例を制定するものです。

平成21年4月1日から施行されます。

議案82号 動産の取得について

消防ポンプ自動車(CD−I型)1台 23,625,000円(消費税込み)

日本機械工業株式会社製 納期 平成22年2月27日までの購入契約を締結するので議会の議決を求めるもの。 ※ 東部出張所に配備。

報告第10号 射水市健全化判断比率の報告について
 

これは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が施行され、その規定により平成19年度における健全化判断比率を監査委員の意見を付けて報告するものです。健全化判断比率の項目は「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」は、黒字であり該当しない。「実質公債費比率 16.6%(早期健全化基準25.0%)」「将来負担比率 180.1%(早期健全化基準350.0%)」で、いずれも範囲内でありかつ適正であると認める報告です。

報告第11号 射水市資金不足比率の報告について               

これも上記と同じです。次の特別会計「水道事業会計」「病院事業会計」「企業団地造成事業特別会計」「下水道事業特別会計」「農業集落排水事業特別会計」(各経営健全化基準20.0%)は、いずれも「資金不足額なし」の適正であると認める報告です。

2008年度決算からは一つでも基準を超えると「早期健全化団体」(病気で言うと自宅療養)となり自主再建を行う。さらに悪化すると「行政再生団体」(長期入院)に移行し、事実上、国の管理下に置かれる。今後は議会において予算、決算を厳しくチェックしていきたい。

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